公開情報の活用:一次情報へ到達するための最短ルート
デューデリジェンスにおける「公開情報の活用」は、単に書類やニュースを集める作業ではありません。 目指すのは、意思決定に耐える一次情報へ最短で到達し、検証可能な形に整えることです。 本稿では、台湾での取引・投資・提携を想定し、実務で使える公開情報の取り回し方と、現地検証(オンサイト)に繋げる設計を、簡潔に整理します。
OSINTの基本設計:出典・時点・照合軸
1. 出典と時点を明示する
企業登記、決算公告、規制当局の開示、裁判・行政処分情報、メディア記事は、いずれも出典と取得時点の記録が不可欠です。 同じ事実でも「いつ時点の情報か」によって評価は変わります。監査対応を想定し、URL・取得日時・担当・ハッシュ値を記録します。
2. 照合軸を先に決める
代表者・株主・役員・住所・電話・メール・ドメイン・銀行口座などの識別子を「照合軸」として先に設計すると、別名や関連当事者の紐付けが効率化します。 翻字差や略称は名寄せルールを定義し、誤一致を最小化します(詳細は ビジネスリスク調査)。
3. 公開情報→ヒアリング→オンサイトの順序
机上の公開情報で仮説を立て、関係者ヒアリングで補強し、最後にオンサイトで実在性を確認するのが確度と効率の両立に有効です。 現地で撮影・ログ・入退館記録の突合まで行う場合は、実地検証DDに接続します。
よく見る論点と公開情報の当て方
取引先の実在性・規模感
登記・所在地・従業員規模・取引履歴の一貫性を見ます。所在地は地図・衛星画像・周辺施設との整合で補強し、工場であれば電力・物流動線も確認します。 メディア・採用サイト・IR素材は誇張が混じるため、一次資料で裏取りします。
関係当事者取引・資金循環
役員や株主の重複、同一住所・同一電話、短期での設立・清算の繰り返しはレッドフラグです。 複数社の決算・請求書・入出金明細を時系列で突合し、循環の痕跡を検出します(金融トラブルの兆候は 金融トラブル・暗号資産調査)。
制裁・輸出管理・アドバースメディア
誤一致を恐れて網を緩めるのではなく、翻字差・別名・役職表記ゆらぎを織り込んだ検索を行い、ヒットは名寄せルールで段階評価します。 評価結果は反証ログとともに残し、第三者が追跡できる形に整えます(ビジネスリスク調査)。
公開情報を一次情報へ変える三つの工夫
1. 断片の時系列化
設立・役員交代・増資・債権譲渡・事業譲渡・行政処分・大口案件の受注などの事象を時系列で整理すると、隠れた意図や資金需要が可視化されます。 検出後はオンサイトで証跡を確認し、写真・ログ・担当の記録を残します。
2. 地理・供給網の重ね合わせ
倉庫・工場・営業所・港湾との距離、通関データや物流の季節性を重ねると、売上膨張や在庫滞留の兆候が見えます。 重要KPIは案件ごとに絞り込み、レポートは「意思決定に使える粒度」で提示します。
3. 契約条項への即時反映
レッドフラグは報告で終わらせず、価格調整・表明保証・補償・アーンアウト・エスクロー等の条項案へ即時反映します。 M&A関連は M&A調査 と併走します。
まずは一次相談(無料)から
目的・期限・必要な証拠水準だけお知らせください。最短ルートの実施案をご提案します。